ウレタン塗料を使った塗装のメリット・デメリット
基本情報
- 作業:
- 外壁塗装
- 担当者:
- 若槻義治(1級塗装技能士)
施工内容
<関連する施工種別>
外壁塗装
ウレタン塗料は、外壁や屋根の塗装に使われる塗料の種類の1つです。他には、耐久性の高いフッ素やシリコン、安価なアクリルなどの種類があります。
簡単に言ってしまえば、これらの塗料は価格と耐久性に大きな差があり、1回外壁などを塗り替えるための費用が高く、耐久性も高いものから順に
フッ素>シリコン>ウレタン>アクリル
となっています。
日栄企画ぬり太郎では、塗り替えを行う塗料の素材について、打ち合わせの際にお客様のご要望をヒアリングして、それぞれご提案をさせていただいていますが、最近は広く流通したことで価格も安くなってきたシリコンの塗料を使うことが増えてきました。
では、ウレタンの出番がなくなったのかというとそうではなく、今でももちろんウレタン塗料を使った外壁塗装の需要はあります。
そこで今回はこのウレタン塗料についてどういった場合に使うのがオススメなのか、メリット・デメリットを合わせてお話ししたいと思います。
ウレタン塗料の特徴について
ウレタン塗料は、大きく水性タイプと溶剤タイプがあります。ほとんどのサイディングやモルタル外壁の塗装では、前者の水性タイプが使われています。というのも、溶剤タイプ(特に2液型)は、水性に比べると耐久性は優れているのですが、化学反応を起こして固まる際に刺激の強いニオイが発生してしまい、広い範囲の塗り替えには向いていないのです。
特に周りに住宅が多く建っている場合は、トラブルのもとになってしまう可能性もありますので、溶剤タイプの使用は雨どいやベランダの鉄部など狭い範囲にとどめることをオススメしています。
ウレタン塗料のメリットは安価で耐光性が高いこと
ウレタンは、アクリルと比べると高いですが、フッ素やシリコンと比べると少し安いです。「外壁の塗装1回あたりのご予算をどうしても抑えたい、でもアクリル塗料の外壁よりは耐久性のある外壁にしてほしい」といったご相談があると、ウレタンを使った外壁塗装をご提案しています。
また、ウレタンの塗膜は比較的柔らかく、密着性に優れているので、色んな素材に合いやすい塗料の1つとも言えます。最近は見かけなくなってきましたが、完全に木で出来た柵、塩化ビニール製や鉄製の雨どいなど、色んな素材にぴったり密着するのでほぼ万能です。
耐光性にも優れているので、日光が当たり続けることが要因で起こるチョーキング(外壁が白く色抜けして、手で触ると粉のようなものがつく)現象も、アクリルの外壁に比べて抑えられます。
ウレタン塗料のデメリットはランニングコストの悪さ
メリットの部分でも説明していますが、ウレタン塗料は1回あたりの塗り替えにかかる費用は安いです。
しかし、1回当たりの塗り替え費用が安いことが、必ずしもお得とも限りません。フッ素塗料などは、1回あたりの費用はウレタンの塗料よりかかってしまいますが、その分耐久性があります。フッ素塗料が約20年耐久するのに比べて、ウレタン塗料は約10年~13年の周期でメンテナンスが必要になってきます。
塗装の際は、塗料代だけではなく足場代なども必要になりますので、長い目で見ると1回の塗装でも長く持つフッ素塗装の方が安くなることが多いのです。
そのためお客様には、特にご予算が厳しくない場合は、フッ素かシリコンの塗料を使った塗装を提案しています。ですが、「子どもが小さくてなかなか外壁まで予算をまわせない」あるいは「数年のうちに家を手放すけど、塗装をしてほしい」などの理由がある場合は、価格と耐久性のバランスのとれたウレタン塗料を選ぶのも手段の1つです。