外壁にコケが発生する原因と対策
基本情報
- 作業:
- 外壁塗装、屋根塗装
- 担当者:
- ぬり太郎代表 若槻
施工内容
<関連する施工種別>
外壁塗装、屋根塗装
見た目で分かりやすい外壁塗膜のトラブルといえば、
- クラック(ヒビ割れ)
- チョーキング
- 塗膜膨れ
- コケ
などがあります。
これらの外壁に関するトラブルは目立つので、前回の外壁塗装からの経年数に関係なく、「見た目が悪いし、そろそろ塗り替え時かな?」と、塗り替えを行う基準にされる方も多いです。
今回は数ある外壁トラブルの中でも、特に見た目が目立ちやすいコケの発生原因や対策方法について、触れていきたいと思います。
外壁にコケが生えてしまう原因は、ジメジメとした「湿気」
外壁にコケが生えてしまうのは、ジメジメとした湿気が原因です。
日当たりが悪くジメっとしている場所に、カビやキノコなどと同じように胞子をまいて繁殖するコケですが、コケの種類によって胞子を飛ばす時期が違います。
厳冬期などコケの胞子が動きづらくなる時期はあるものの、ほぼ1年中、湿気さえあれば繁殖していく可能性があります。
最初は「うっすらと緑色をしているような……?」という程度にしか見えませんが、放っておくとどんどん色味が濃くなり、コケの範囲も広がっていきます。
コケが生えやすい外壁の種類
コケが生えやすく、繁殖しやすい外壁にはいくつか種類があります。
- 防カビ塗料が使われていない外壁
- スタッコ仕上げの外壁
- 凹凸の多いデザインのサイディングボード
特に多いのは、上記のような種類の外壁です。
防カビ剤が含まれていない塗料が使われている場合、コケが生えやすい
防カビ剤、抗菌剤等が含まれていない塗料を使って外壁塗装をしている場合、防カビ剤が含まれている塗料で外壁塗装を行った場合に比べると、コケが生えやすいです。
スタッコ仕上げの外壁はデコボコに水がとどまりやすく、コケが生えやすい
スタッコ吹き付けで、外壁塗装を仕上げている場合、スタッコのデコボコ部分には雨水などがとどまりやすく、とどまった水分の湿気からコケが生えてしまいやすいです。
凹凸の多いデザインのサイディングボードは、コケが生えやすい
サイディングボードのデザインによっては、コケが生えやすいものもあります。
スタッコ仕上げの外壁にコケが生えやすいことと同じ理屈ですが、レンガ調やブロック調など、凹凸が多く凹みの溝が深いサイディングボードの場合、表面の水はけが悪いため、水分がとどまりコケが繁殖しやすいです。
逆に、表面に凹凸が無いツルツルした外壁は、コケが定着しにくいと言えます。
外壁にコケが生えやすい立地条件4つ
外壁の種類によってコケの生えやすさに影響があることは先述しましたが、それよりもさらに大きな影響があるのは、その建物の立地条件です。
~こんな場所に建つ建物はコケが生えやすい!~
- 周りに植物が多い
- 川、田んぼ、用水路などが近くにある
- 山の中
- 隣接する建物が近い
「周りに植物が多い」、あるいは「川、田んぼ、用水路などが近くにある」という立地条件の場合、建物の周りにの空気には、多くの湿気(水分)が含まれています。
※植物は光合成の際、気孔から水分を蒸発させる「蒸散」を行うためです。
空気中に水分が多く含まれていれば、当然コケが発生する可能性も高くなります。
「山の中」、あるいは「隣接する建物が近い」という立地条件の場合、日当たりが悪く、常に何かの”陰”になっている部分があると考えられます。
また、風通しも悪い可能性が高いです。
常に何かの日陰になっている、さらに風通しも悪いといった場所では、外壁表面についた水分の蒸発が妨げられ、コケが繁殖する原因となることが多いです。
上記4つのコケが生えやすい立地条件を、全て兼ねているような建物も多くあり、いざ塗り替え前の事前調査に来てみると「外壁一面が真っ緑になっていた!」というケースもあります。
外壁にコケが生えやすいその他の原因
これまで、外壁にコケが生えてしまう原因について、「外壁の種類」「建物の立地条件」という観点からお話してきましたが、それ以外にも、”コケが生えやすい外壁”の原因は様々あります。
北面の外壁は太陽の光が届きにくいのでコケが生えやすい
隣接する建物が近くにないと仮定した場合、外壁4面の中で、北面が最も日光が当たりづらく、ジメっとした湿気を残しやすいので、コケが生えてしまいがちです。
逆に、日の当たりやすい西面・南面の外壁は、チョーキング現象の起こりやすい外壁と言えます。
→ 外壁を触るとつく白い粉は塗り替えのサイン | チョーキング現象について
壁際に鉢植えを寄せているとコケが生えやすい
低木やお花の植えられた鉢植えを、外壁側に寄せて置いていませんか?
実はこれも、外壁にコケが生えやすい原因です。「鉢植えをどかしてみると、陰になっている部分にコケが大量に繁殖していた!」とビックリしてしまうケースも多いと聞きます。
“鉢植えの陰になっているからコケが生えてしまう”というのも要因ではありますが、1番問題なのは”鉢植えへの水やり”でしょう。
鉢植えだけに水やりをしているつもりでも、外壁にも水しぶきは飛んでいます。
特に鉢植えの陰になっているところは、付いた水しぶきが乾きにくいので、ジメジメした湿気が長く残り、コケが繁殖してしまうのです。
外壁に生えてしまったコケの除去方法
外壁に生えたコケを放っておいても直ちに水漏れトラブルに繋がるというわけではありませんが、やはり”見た目”がよくないので、気にされる方がとても多いです。
一旦コケが生えてしまうと、
- コケが水を吸収する
- コケが繁殖する
- 繁殖したコケが水を吸収する
- 更にコケが繁殖する ……etc
という悪循環が生まれるので、勝手にコケが消えることはほとんど無いと言ってもいいでしょう。
そのため、コケが生えてしまったら、何らかの手を打つ必要があります。
◆自分で、一般用高圧洗浄機やスポンジブラシ等でコケを除去
今は、一般の方でも扱える高圧洗浄機が、通販やホームセンターなどで販売されているので、それを使う手もあります。
ただ足場でも組まない限り、手の届かない場所のコケは落とせない(高所作業を無理して行うのは危険なのでオススメできません!)こと、間違った使い方で外壁を傷めてしまう可能性があることは考慮しておく必要があります。
スポンジに洗剤をつけてこすってみる方法もよく行われているようですが、凹みの深い所に定着したコケが除去しきれないこと、かといってゴシゴシ力任せにこすると、やはり外壁そのものを傷めてしまうので、気になるところをやってみるのはいいけれども、あまりオススメは出来ないかなと考えます。
◆業者に頼んで、外壁塗装のついでにコケを除去
1番安全で、なおかつコケがキレイになる方法は、外壁塗装のついでにでも、高圧洗浄を行うことです。
一般的に使える高圧洗浄機よりも、塗装業者などが仕事で使う高圧洗浄機の方が馬力がありますし、何より塗装業者は外壁の洗浄に慣れています。
足場を組んで、手の届かないところまでしっかりコケなどの洗浄を行ったあとに、外壁塗装を行うため、外壁の見た目はすっかりキレイになります。
コケが生えにくいように、日常的に気をつけられる方法としては、敷地内の植栽の適切な管理(剪定・伐採など)、外壁に寄せて鉢植えを置かない、といったことが挙げられます。
もし、コケの除去を機に外壁塗装を行いたいという場合は、ぜひ大阪のぬり太郎までご相談いただければと思います。